海上に横たわる不思議な砂州、龍が天に上る姿とも神様の恋の通い路とも伝えられます。
天橋立は、京都府宮津市の宮津湾と内海の阿蘇海を南北に隔てる砂州で、たんに「橋立」とも呼ばれますが、全長は3.6キロメートル、幅は20メートルから170メートルもあります。日本三景の1つに数えられ、京都府内では京都市の寺院群などを除けば、随一の人気観光スポットです。
白砂青松の例え通り、白い砂浜に緑の松林が美しく生えそろっていますが、この5000本ほどもある松の木は人工的に植えられたものではなく、ほとんどが自然に生え揃ったものです。
宮津湾から阿蘇海を横切る天橋立の様子は、古来龍が天に昇る姿に例えられ、室町時代の有名な水墨画家・雪舟も、国宝の絵画『天橋立図』を描いています。
このような不思議な形状地がどうしてできたのか、宮津湾の西側から沿岸流によって運ばれた砂礫が、橋立西側を流れる野田川が起こす阿蘇海の海流とぶつかり合いそこで停滞、運んで来た砂礫がどんどん積み重なり、長い年月をかけて形成されました。
もっとも神話では別の話も伝えられ、、天界のイザナギノミコトが、橋立近くに在る籠神社(このじんじゃ)に祀られているイザナミノミコトの元へ夜毎通うため、天地を結ぶ梯子を懸けた。ところがその梯子が倒れてしまい、天橋立になったそうです。
- その他の情報
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天橋立は『丹後国風土記』に伊射奈芸命(いざなぎのみこと)が天へ通うために作ったものと書かれている
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天地を反対にして天橋立の全景を見る、股覗きという方法が有名。傘松公園や天橋立ビューランドでは多くの人が股覗きをしている。
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天橋立で有名な股覗きという景色の楽しみ方は、吉田皆三によって明治後期ごろに観光PRとして喧伝されたのがはじまり。