世界文化遺産西本願寺、京都では「お西さん」の愛称で親しまれています。

西本願寺（にしほんがんじ）は、京都市下京区にある浄土真宗本願寺派の本山寺院です。西本願寺は通称で正式名称は「龍谷山本願寺」ですが、京都人は親しみを込めて「お西さん」と呼んでいます。

始まりは文永9年（1272年）に、親鸞の末娘覚信尼が浄土真宗の開祖親鸞上人の廟堂として、京市東山大谷に建立しました。その後大坂・和歌山など転地を繰り返しますが、天正19年（1591年）に豊臣秀吉が現在の場所へ寺領地を寄進し、大坂天満から移ります。
しかし慶長7年（1602年）には、本願寺は東と西に分立してしまいました。現在では堀川通の西に建つものを西本願寺、烏丸通に面して建つのを東本願寺と呼び、京都では「お西さん」「お東さん」と呼んでいます。

境内には阿弥陀堂・御影堂を始め、唐門や書院・飛雲閣など国宝や重要文化財の指定を受けた建造物が立ち並んでいます。特に飛雲閣は、金閣・銀閣と共に「京の三名閣」と並び称され、非対称に造られた建物全体が巧みな調和を保っています。
国の史跡にも指定され、平成6年（1994年）にはユネスコ文化遺産「古都京都の文化財」として、世界文化遺産に登録されました。