毘沙門堂
毘沙門堂(びしゃもんどう)は、京都市山科区にある天台宗の寺院。山号は護法山。護法山安国院出雲寺とも称す。本尊は毘沙門天。天台宗京都五門跡の一であり、「毘沙門堂門跡」とも呼ばれる。
寺伝によれば、毘沙門堂の前身の出雲寺は文武天皇の勅願により、大宝3年(703年)行基が開いたという。その後、平安時代末期には出雲寺は荒廃していたが、鎌倉時代初期、平親範が平家ゆかりの3つの寺院を合併する形で再興。中世末期には再び荒廃していたが、近世に至り、天海とその弟子の公海によって現在地に移転・復興され、天台宗京都五門跡の一として栄えた。
前身寺院である出雲寺は、京都市上京区の相国寺の北、上御霊神社付近にあったと推定される。付近からは奈良時代前期にさかのぼる古瓦が出土しており、行基の開基であるかどうかは別としても、この付近に平城京遷都以前にさかのぼる寺院のあったことがわかる。また、一帯には現在も「出雲路」の地名が残されている。この出雲寺は平安時代末期には荒廃していたことが『今昔物語集』の記述などから伺われる。
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